蜂の巣のような六角形の穴の中に、座ったり寝そべったり。リラックスした思い思いの格好で、みんなが手にしているのは本。でもここは、本屋でも図書館でもない。
神戸市中心部から車で40分。新興住宅地を抜けると、「寿ノ湯」(兵庫県三田市)が現れた。そばには緑豊かな田園風景が広がる。
閉店した温浴施設を改修し、2年前にオープンした。6種類の風呂とサウナ、岩盤浴も備える。とりわけ目を引くのは、蔵書約1万冊の「ライブラリー」だ。中央には浴槽跡を利用した桜の木のオブジェ。天井近くまでそびえる棚に美しく陳列された姿は、さながら美術館のようだ。
読書スペースは岩盤浴着で利用できる。「蜂の巣」と名付けられた六角形の穴や、小さく区切られた「おこもりスペース」に気に入った本を持ち込めば、誰にも邪魔されることがない、ぜいたくな時間になる。
「神戸まで行かずとも、おしゃれな施設を三田の人に楽しんでもらいたくて」。「寿ノ湯」を運営する冠婚葬祭業「レック」の高橋泉代表(61)はそう話す。三田市で生まれ、住み続けてきた。神戸・大阪のベッドタウンとして成長した三田には観光資源が少ないため、新たな滞在スポットにしたいという。ライブラリーは社員でもある息子のアイデアだ。高い天井を生かして他にないものを作ろうと、各地の銭湯やホテルをめぐり、考えついた。
記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。19日(日)締め切り
「寿ノ湯」の名は、昭和30…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル